たぬき和尚通信

2017年3月7日 10:34

第6号 ハラハラドキドキ 尺八演奏会

平成29年2月5日

 宗禅寺で尺八の演奏会が突然開かれました。1月31日、突然広島の従兄弟の娘さんの旦那さんから電話が入りました。昼寝中でしたので、うつらうつらボーっと話しを聞いていました。2月の6日に東京で日本伝統音楽の会の役員会があるので、東京に行きますと……。

 この人は、上田流の尺八の家元講師を務めている方で、山本観山といいます。実は何年か前にも、節分豆まき会の時に、急遽尺八を吹いてくれることになりまして、この時演奏してくれた尺八の音色がとても素晴らしいもので、何かあったら又、お願いしようと思っていたのです。但し、わざわざ広島から来ていただくとなると、交通費やお礼が高くなるので(本音)、ついでの時にと思っていたのです。そして、31日の電話です。頭をはっきりさせて、日程のことに集中しました。山本さんは5日に広島から来られて、7日に帰ると。さて、お寺の都合はどうか。3日の節分豆まきには間に合わない。4日の土曜講座にも間に合わない。とすると、5日だ。5日の日曜日には三時から春の文化展の第一回打ち合わせがある。とすると、その後しかない。では、会議の終わった3時半過ぎからとする。それにしても、聴いてもらえる皆様にどう連絡すればよいか……。宣伝ビラを作るのはもちろん、どう連絡するか。文化展の方は当日でよしと。さて、広告はお寺の内と外に手作りポスターを掲載。それでは人は来てくれても20人。この絶好の機会にどうしたら沢山の人に聴いてもらえるか。

 宗禅寺の節分豆まきは来山の方々に、60グラムの豆を参加賞としてお渡ししている。そうだ、これだ! この豆にチラシをつけようということで、いつも400人位の大人の方が見えられるので、ここにチラシをつけて輪ゴムでとめて準備完了。しかも白隠禅師のシンポジウムの追加のチラシ。このチラシは養老先生の土曜講座に配る予定だったが、到着したのが講演の翌日で、当てがはずれていたのだ。では、これも一緒にと。400個の豆メッセージが出来上がり、節分の当日、参加者全員にお配りした。ちなみに、節分には200人近い子供達も来てくれるので、当日はなんと600人の人が集まり、広告も見たことになります。

 そして、二日後の5日、どうなることかとヒヤヒヤドキドキ。3時過ぎにお二人の方が本堂に。隣の部屋では、30人で文化展の会議。会議終了して、3時40分。本堂をのぞくと、部屋は人で一杯。急遽イスを増やして、ふすまをどかした。およそ70人本堂の片側は人で一杯。思わずビックリするやら、有難いやら。

 山本観山師範には、当初20人くらいで20分と話していたのだが、終わってみれば60分。「日本の音と心」と題した演奏会は、尺八の音色と吹き方と特徴と、何よりも尺八には音階がないこと。まさに日本独特のものであることをたっぷり耳で、頭で、理解させてもらった。最後は「ふるさと」を尺八と会場の方々で合唱して終了。山本師範も、会場の熱気にこたえての大熱演サーヴィスであった。熱演のわりには、お礼が簿謝でとても申し訳ないのだが。

 それにしても、尺八ドキドキ、大不安演奏会は、様々な因縁としかけの中で、演者にも聴衆にも私にも、大満足興行であった。その後の一杯は、盛り上がってお酒がすすんだのは言うまでもなかった。めでたしめでたし。