医王いろいろ閑話



医王いろいろ閑話

2022年8月5日 17:18

【 法 話 】コロナ感染者数急上昇中~~コロナを受け入れるココロ~~

 夏の暑さも今日は一休みしてますね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?お子さんたちの夏休みが始まると同時に、コロナの状況も逼迫して参りました。

 宗禅寺のある羽村市でも昨日付けまでで、現状830名もの方々がコロナ陽性にて、療養中とのことです。羽村市の人口が5万4000人なので、100人に1人の割合(人口の1%)の水準をゆうに上回ってしまいました。学校が夏休み中にも関わらず多い水準で、注意が必要です。

 ご存じのかたもいらっしゃると思いますが、宗禅寺でも2月に家族が感染してしまいました。喉の腫れ、声の調子がおかしい、せきが出るなど、いわゆる風邪の症状が出ている方は要注意です。お出かけを自重していただき、数日間、体調の変化をご自分でご観察下さい。

 さて、本題ですが、そういう中にあってもお寺では坐禅会、写経会、土曜講座を継続的に開催しております。ご参加にあたりましては、ご自身のお身体の調子とよくご相談いただきたいと願っております。

 お釈迦様は人生を四苦八苦と形容されました。四苦八苦は普段から使われる日本語ですが、人生には必ず8つの苦しみがあるという意味の仏教の言葉です。最初の4つの苦しみを生老病死(しょうろうびょうし)と言います。生きること、歳を取ること、病気になること、死ぬこと。病気というのは人によってそれぞれですが、生きていく中では必ずつきまとってくる存在です。

 しかし、自分自身が病気であることは不幸なことなのでしょうか? 病気になるということは、ある意味では生きていく上での杖のような役割を果たして下さることもあるのではないでしょうか?

 先にも触れましたが、我が家族も2月にコロナに感染致しました。幸い子供たちは元気に過ごしておりましたが、家族に陽性者が出ると学校に通学することができないので、一週間家の中で過ごしていました。お寺の仕事をどうするかという難しい判断と、買い物にも出れないので、色々と不便なことがありましたが、しかし、やるべきことはハッキリしていましたので、かえって普段はできない良い生活もできた期間であったと思います。

 なぜ良い生活となったのか? それは、やるべきことがハッキリと分かったということが非常に重要なことであると思いました。ご飯を作り、お風呂を掃除し、子供たちのオンライン授業の手助け(見守り)をするということ。コロナでこもったことで、普段よりシンプルな、生活する上で最低限のことだけをして過ごすことができたのが良かったのだと思います。

 元々禅は、平常心を説きます。自分の身の回りで、時に想定外のショックな出来事があったりしますが、普段の心で全てを受け入れること。そして、何かが起きたとしても落ち着いた心で過ごしていけば、それでいいのだということ。禅では坐禅を行いますが、その落ち着いた自分の心がしっかりとあるのだということを、坐禅をする中で自分自身が感じることが一つ大事なことなのだと思います。

 自分自身がコロナにかかってしまったという事実を受け入れるのは、そうそう簡単なことではありません。しかし、その事実を受け入れる少しの勇気、心の落ち着きさえあれば、コロナも人生の杖として、自分を支えてくれる一つになるのだろうと思います。