医王いろいろ閑話



医王いろいろ閑話

2022年4月12日 12:30

釈迦誕生祭・花祭り ご報告

 4月8日は仏教の開祖お釈迦様の誕生日とされています。母親である摩耶夫人が実家に帰省して出産しようとしていた旅路の道すがらに産気づいてしまい、途中の花畑で出産されたとの伝承があります。日本では4月は春の訪れを感じる季節でもあり、「花祭り」という愛称で呼ばれるようになりました。

 お釈迦様は誕生されると天と地を指さして7歩あるかれたそうで、有名な天上天下唯我独尊(てんじょう てんげ ゆいが どくそん:この世界で一つしかない尊い命を授かった)の言葉を発せられ、この世に産まれてきたことへの感動と感謝を示されました。

 7歩というのは、仏教の六道(地獄界・餓鬼界・畜生界・阿修羅界・天上界・人間界)の世界をすでに克服し、超越した存在としての描写と思われます。六道は我々が亡き後に趣く六つの世界とされていますが、人間の心の悪い作用を六つ表しているとも言われており、ウクライナでの戦争をみていると、人間の愚かな六つの部分と言えるかもしれません。

 花祭りではお釈迦様の誕生仏という仏像に甘茶をかけて生誕を祝しますが、お釈迦様が産まれたときに天から歓びの雨が降ったといわれ、雨水によってお花畑の花の甘い香りが一面に広がったというお話しから甘茶をかける習慣が生まれたようです。

 ここ2年、コロナ禍によって宗禅寺での花祭り法要は中止しておりましたが、本年は皆様のご協力の下で行うことができました。

 福生鳳友会の皆様による生田流の筝の生演奏と、正俊和尚鎌倉時代からのご縁で、藤沢から草月流の上原瑞光先生がお越し下さり、筝の演奏中に花の活け込みをライブで行って下さいました。

 また、午前中に近所の保育園のお子さんたちがわざわざ来て下さり、子供たちにお釈迦様のことを少しお話しできました。小さい子供たちが手を合わせている姿は大変美しく、私自身もとても嬉しい機会をいただけました。

 花祭りコンサートは毎年行っていく予定でおりますので、また来年ご期待いただければと思います。